2023年度 公開研究集会 あなたの介護の「観察と調節」を誰が担うか?
               -授業を通して学生に伝えたいこと-

 

企画代表者:纓坂英子(駿河台大学)

企画者:永久ひさ子(文京学院大学)

話題提供者:涌井智子(東京健康長寿医療センター研究所)

話題提供者:山口麻衣(ルーテル学院大学)

話題提供者:馬場絢子(金沢大学)

指定討論者:永久ひさ子(文京学院大学)

指定討論者:滑田明暢(滋賀大学)

キーワード:家族の多様化,介護,ジェンダー

                                

 

 本シンポジウムの目的は,介護の担い手について,家族の多様化とジェンダーの視点から議論を深める事である。介護には、生活を支える手段的介護のほかに、高齢者の幸せを支えるための観察と調節という見えない介護がある。例えば在宅介護では、本人のニーズを観察し好みや生活歴などを考慮して外部サービスの選択や調整を行う役割が必要である。施設介護でも、幸せに暮らしているかを観察し、本人に代わってニーズを施設スタッフに伝えるなどの調節が必要である。従来これらは主に娘や妻などの女性によって担われてきた。しかし今日の家族介護は、女性の社会進出とも相まって多様な状況にある。また近年の家族の多様化は、家族や子どもを持たずに介護期を迎える高齢者の増加を意味する。フォーマルケアに限界がある中で、高齢者と介護者のQOLを共に高めるための介護のあり方について検討したい。シンポジウムでは、家族介護の多様化、フォーマルケアの揺らぎとインフォーマルケア、親子介護と親子関係などの話題提供をいただき、息子(男性)と娘(女性)の立場から、さらに自分が被介護者となることを踏まえて、介護の観察と調節を誰が担うのかについて議論を深める。