2017年度 公開研究集会 アクティブに学ぶジェンダー(2)
               -授業を通して学生に伝えたいこと-

 

企画代表者:土肥伊都子(神戸松蔭女子学院大学)

企画者,司会者:宇井美代子(玉川大学)

話題提供者:赤澤淳子(福山大学)

話題提供者:上野淳子(四天王寺大学)

話題提供者:滑田明暢(滋賀大学)

話題提供者:青野篤子(福山大学)

指定討論者:伊藤裕子(文京学院大学)

指定討論者:荻野佳代子(神奈川大学)

                                神戸松蔭女子学院大学
                                    土肥 伊都子

 

 2015年度に、本研究会の研究集会として初めて行った、ジェンダーに関連するアクティブ・ラーニングについての研究集会では、アクティブ・ラーニングの取り組みのいくつかを紹介し,その効果と今後の課題などについて議論した。そこで、今回は、授業の内容の紹介にとどまらず、さらにそれを発展させて、授業によって何を、どのようなエッセンスを学生に伝えればよいのか、アクティブ・ラーニングをするねらいについて、議論した。

  まず、赤澤淳子先生からは,昔話は、人の口から口へと伝わってきた口承的な物語であり、また、時代の流れにより改変されてきたという歴史もあるので、その当時の人々の生活や考え方を知る手がかりともなることが述べられた。そして、白雪姫を描いた4つの昔話や映画などをジェンダーという視点から分析する授業を通して、学生が何を得ているのかについて報告された。

 次に上野淳子先生からは, 昨年度のゼミで行った、4つの白雪姫を比較検討する授業について、報告された。ゼミ生はさらなる学習を重ね、それらの内容を所属大学で行われた「全学ゼミコンテスト」 で発表、入賞した。授業での実践がどのように学生に解釈され、 発展していくかの実例として、その過程が紹介された。

 さらに滑田明暢先生からは,家事分担やワーク・ライフ・バランスは、個人とその周囲の人々の生き方や社会課題と関わる問題であること、またその一方で、意識することなしには身近なこととして見えてきづらい事象でもあることが述べられた。そして、オンライン知識共有コミュニティのフィールドワークなどを実施し、より現実的な事象をもとに考察することを目指した授業実践とその成果が報告された。

  最後に青野篤子先生からは,ジェンダーの学習について,基本概念を理解するための講義の重要性も述べつつ、アクティブ・ラーニングの有用性が指摘された。